なぜフリーランスクリエイターで300万円の借金を背負うことになったのか

はじめに

こんにちは。過去に300万円の借金を抱え、神奈川から広島に移住して人生の仕切り直しを図っている山崎です。

この記事では、なぜフリーランスクリエイターとして失敗し、300万円もの借金を背負うことになったのか、包み隠さずお話しします。

「フリーランス=自由で稼げる」というイメージを持つ方も多いと思いますが、現実はそう甘くありませんでした。特に私の場合、技術はあっても経営感覚が全くなかったことが致命的でした。

同じような境遇の方や、これからフリーランスを目指す方の参考になれば幸いです。

私の基本プロフィール

まず簡単に自己紹介をさせてください。

  • 1998年神奈川生まれ(26歳)
  • 富山大学理学部在学中、ホームページ制作事業(個人事業)を開業
  • フリーランスクリエイター(システムエンジニア・デザイナー)として活動
  • 大手広告代理店向け分析ツールの開発・デザインを担当
  • 起業・事業失敗により300万円の借金を抱える
  • 2024年、神奈川県から広島県に移住
  • 現在、建設コンサルタントへ転職

なぜフリーランスクリエイターになったのか

大学時代のプログラミング学習

大学在学中、コロナ禍でのエンジニアブームが到来するちょうど1年前ごろに独学でプログラミングとWebデザインを学び始めました。最初はWebサイト制作から始まり、徐々にシステム開発にも手を広げていきました。

大学の競技フットサル部に入っていたのですが、部活のPRサイトを作ったところ、思った以上に反響があり「これで食べていけるかも」と思ったのがきっかけです。

就職せずに起業を選んだ理由

正直に言うと、就職活動がうまくいかなかったというのが大きな理由です。

富山という地方で、かつ自分のスキルを活かせる企業が見つからず、「それなら自分でやってみよう」と安易に考えてしまいました。

今思えば、社会経験なしにいきなり起業するなんて無謀でした。でも当時は「技術があれば何とかなる」と本気で思っていたんです。

最初の仕事獲得

幸運なことに、大学の先輩のつてで広告代理店との取引が始まりました。

広告の効果測定や分析ツールの開発・デザインという、まさに自分のスキルにピッタリの仕事でした。

最初の1年は月収30〜50万円程度と、同世代の会社員より稼げていたので「やっぱり起業して正解だった」と調子に乗っていました。

最初の成功体験〜順調だった2年間

案件の拡大と収入アップ

2020年から2022年前半まで、本当に順調でした。

最初の広告代理店での実績が認められ、口コミで新しいクライアントが増えていきました。主な業務内容は

  • 広告効果測定ダッシュボードの開発
  • A/Bテスト結果の可視化ツール
  • クライアント向けレポート作成システム
  • UI/UXデザイン

ピーク時は月収80万円を超えることもあり、「フリーランス最高!」と完全に天狗になっていました。

生活の変化と油断

収入が増えると、生活もどんどん派手になっていきました。

  • 神奈川の良いマンションに引っ越し(家賃12万円)
  • 高級な機材やソフトウェアを次々購入
  • 飲み会やギャンブル(パチスロ)で散財
  • 「来月も稼げるから」と貯金せず

当時の私は「技術があれば一生食べていける」と本気で思っていたんです。

最大の失敗:経営感覚の欠如

一番の問題は、私が「技術者」であって「経営者」ではなかったことです。

  • 契約書をろくに確認せず口約束で仕事を受ける
  • 請求書の管理が適当
  • 税金や経費の概念が曖昧
  • リスク管理を全く考えていない

「技術力があれば何とかなる」という考えが、後に大きな落とし穴になりました。

失敗の始まり〜すべてが崩れ始めた2022年後半

主要クライアントとの契約終了

2022年9月、売上の7割を占めていた広告代理店から突然の契約終了通告を受けました。

理由は「内製化による業務効率化」。要するに、私がやっていた業務を社内のエンジニアに移管するということでした。

契約書に更新条項をきちんと盛り込んでいなかった私のミスです。「口約束でも大丈夫」という甘い考えが裏目に出ました。

パニック状態での無謀な判断

月収80万円から一気に月収15万円に。家賃12万円のマンションに住んでいる状況で、完全にパニックになりました。

そこで私が取った行動が最悪でした

  1. 借金をして設備投資(創業融資などではなく消費者金融...)
  • 「AI "開発者側" の最新技術を死ぬ気で覚えれば挽回できる」
  • 高額なAI開発用のワークステーション導入(150万円)
  • 各種有料サービスの年間契約
  1. ギャンブルで一発逆転を狙う
  • 競馬とFXで「当面の運転資金を稼ごう」という愚行
  • 50万円以上負ける
  1. 生活レベルを下げられない
  • 家賃12万円のマンションに住み続ける
  • 外食や娯楽費も削らない

クレジットカードとローンの乱用

「来月には新しい案件が取れる」という根拠のない楽観主義で、借金を重ねました。

  • クレジットカードのリボ払い:92万円
  • 銀行カードローン:120万円
  • 消費者金融:100万円

合計300万円の借金完成です。

現実逃避の日々

2023年に入ると、もう完全に現実逃避モードでした。

新規営業もろくにせず、昼間からパチスロに通い、夜は友人と飲み歩く。「明日から本気出す」を毎日言い続ける典型的なダメ人間になっていました。

今思えば、この時期に素直に就職活動をしていれば、こんなに借金は膨らまなかったでしょう。

借金をした時の心理状態

なぜこんなに借金してしまったのか、当時の心理を振り返ってみます。

  1. 「来月は絶対稼げる」という根拠なき楽観
  • 新規案件の見通しゼロなのに「何とかなる」
  • 過去の成功体験への過信
  1. 現実逃避としてのギャンブル
  • 「一発逆転」という愚かな発想
  • 負ければ負けるほど深みにハマる
  1. プライドが邪魔した就職活動
  • 「フリーランスの俺が会社員になるなんて」
  • 年収が下がることへの抵抗感
  1. 生活レベルを下げられない
  • 成功していた頃の生活を手放せない
  • 周りに失敗を認めたくない

催促電話と精神状態

2023年後半になると、返済が滞り始めました。

毎日のように督促の電話。最初は丁寧な口調でしたが、徐々に厳しくなっていきます。

電話が鳴るたびに心臓がバクバクし、外出先でも気が休まらない。ついには携帯電話を見るのも怖くなりました。

この頃が人生で一番つらい時期でした。

神奈川から広島への移住決断

2024年春、ついに現実と向き合う時がきました。

神奈川の家賃12万円のマンションにいても状況は悪化するばかり。思い切って広島に移住することを決めました。

広島は自然と街が調和したとても素晴らしい場所です。

移住の理由

  • 精神的なリセット:失敗した環境から離れる
  • 生活費の大幅削減:家賃12万円→2.5万円(管理費込み・水道代/インターネット無料)
  • 新しいキャリアへの挑戦:IT業界以外への転職

バイクで神奈川から広島まで下道で引っ越し。荷物を最小限にして、文字通り身一つでの再出発でした。

異業種転職への挑戦

現在、建設コンサルタント業界で新たな挑戦をしています。

なぜ建設コンサル業界なのか

理由は多方面に渡りますが、

  • 技術の活用:「技術者」としての基本的な考え方と大学で学んだ応用理学を活かせる
  • 成長市場:高度経済成長期からのインフラ老朽化で需要拡大

が主なところです。

「他業種を知ってから日本のDXに貢献する」という考えにも至りました。IT業界だけでは見えない現場の課題があることを、受託開発を通して学んだからです。

このブログを始めた理由

なぜこんな恥ずかしい失敗談を公開するのか。もちろん今の会社で不利になる可能性もあります。

  1. 同じ境遇の人の参考になれば
  • フリーランス失敗は決して珍しくない
  • 借金を抱えた人の選択肢を示したい
  1. 自分自身の記録として
  • 失敗を忘れないための戒め
  • 再起への道のりを客観視
  1. 透明性のある情報発信
  • きれいごとではない現実
  • 借金返済の進捗も正直に報告

まとめ〜同じ失敗をしないために

フリーランスで失敗しないための教訓

  1. 契約書の重要性
  • 口約束は絶対にダメ
  • 更新条項、解約条項を必ず確認
  1. リスク管理の徹底
  • 売上の7割を1社に依存しない
  • 最低6ヶ月分の生活費は確保
  1. 経営感覚を身につける
  • 技術だけでは事業は続かない
  • 簿記や税務の基礎知識は必須
  1. プライドを捨てる勇気
  • 厳しくなったら早めに方向転換
  • 就職も立派な選択肢

最後に

300万円の借金を背負った失敗者の私ですが、まだ諦めていません。

この失敗経験も、いつか誰かの役に立つと信じています。(半分以上は単なる愚行によるものだと自覚しております...)

同じような境遇の方、これからフリーランスを目指す方、何か質問があればお問い合わせページからお気軽にどうぞ。

次回は「借金で病み尽くした末、地方移住して始めた在宅副業5選〜月8万円稼ぐまでの道のり」について詳しく書く予定です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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