地方移住 × 在宅副業・起業の新常識|家賃2万円生活で見えた『稼ぐ』と『創る』のバランス術
フリーランスクリエイターとして300万円の借金を背負い、地方移住を決断してから1年以上が経ちました。月8万円の副業収入を安定させる過程で、従来の副業の常識とは全く違う戦略が見えてきました。
それは「価値のない案件をやるくらいなら、単発バイトをしろ」という考え方です。
地方移住で見えた副業・起業の新しい戦略
家賃2万円。この圧倒的な固定費の安さが、私の働き方に根本的な変化をもたらしました。
都市部にいた頃は「とにかく案件を取って収入を確保する」ことに必死でした。しかし地方移住後、生活費が激減したことで、時間の使い方を根本的に見直すことができたのです。
従来の副業の常識は「空いた時間でできる限り案件を受ける」でした。しかし、これが必ずしも正解ではないことに気づいたのです。
地方移住で気づいた副業の落とし穴:安い案件の罠
ニッチな業界の独特な案件に要注意(エンジニアの場合)
在宅副業でよくあるのが、ニッチな業界の独特なシステム開発の案件です。一見高単価に見えても、そのスキルが他の案件で全く活用できない場合があります。
例えば、ある特殊な業界向けのシステム開発案件。確かに単価は良いのですが、その業界特有の知識やシステム構成で、他のプロジェクトには一切応用が利きません。
重要なのは判断基準です
- その業界で自分も戦っていく意思があるか?
- その業界の勉強になり、将来性を感じるか?
この2点にYESと答えられない案件は、時給換算すると実は単発バイトより効率が悪いことが多いのです。
時給換算の現実
私が経験したニッチ案件の例:
- 見積時間:40時間
- 実際の作業時間:60時間(調べ物と試行錯誤込み)
- 報酬:5万円
- 実質時給:約833円
一方、単発バイトの場合:
- 1回8,000円(8時間)
- 時給1,000円
- しかも確実に定時で終わる
長期的なスキルアップにつながらない案件なら、単発バイトの方が明らかに効率的です。
地方移住者の最適解:単発バイト+クリエイティブ時間
週2回の単発バイトがベストな理由
私の現在のスケジュール:
- 単発バイト:週2回(1回8,000円)
- 月収:64,000円
- 残り5日:完全にクリエイティブ作業に集中
この働き方の最大のメリットは「時間の質」です。
単発バイトの日は完全に「稼ぐ日」と割り切り、残りの日は100%クリエイティブな作業に集中できます。中途半端に案件を受けて「稼ぐ」と「創る」が混在すると、どちらも中途半端になりがちです。
家賃2万円だからこそ可能な「攻めの時間投資」
月の固定費内訳:
- 家賃:20,000円
- 光熱費:8,000円
- 食費:30,000円
- その他:20,000円
- 合計:78,000円
単発バイト収入64,000円+副業収入で生活が成り立ちます。
重要なのは、この環境だからこそ「将来への投資時間」を確保できることです。目先の小銭稼ぎではなく、1年後、3年後に大きく花開く可能性のある作業に時間を使えるのです。
地方特有の課題:バイク移動の重要性
地方の単発バイトには都市部にはない特徴があります。それは「場所が遠い」ことです。
私がこれまで経験した単発バイト先:
- ドラッグストアの倉庫作業
- 造船所での荷物運び
- ゴルフ場の手伝い
- 温泉の食事処でのホールスタッフ
- イカフライ工場での作業
バイト先までの距離:
- 近いもので2km
- 遠いもので20km
長期バイトなら公共交通機関でも何とかなります。しかし単発バイトとなると、バイクや車がないと選択肢が激減します。
バイクの維持費を考慮しても圧倒的にメリット大
バイクの維持費:
- ガソリン代:月5,000円程度
- 保険・税金等:年間3万円程度(月2,500円)
- 合計:月7,500円
この投資で、バイト先の選択肢が3〜4倍に増えます。結果的に:
- より条件の良いバイトを選べる
- スケジュールの自由度が上がる
- 時給の高い案件にアクセスできる
月7,500円の投資で、月収が1万円以上変わることを考えると、圧倒的にコスパが良い投資です。
実践編:クリエイティブ時間の活用法
単発バイト以外の時間で何をするか。これが地方副業成功の鍵です。
1. アプリの個人開発
現在取り組んでいるのはアプリの個人開発です。ここで重要なのは「誰のために作るのか」を明確にすることです。
2. 絶対に取りたい案件への入念な事前準備
価値のある案件は競争率が高いものです。そのため
- 事前の技術習得
- ポートフォリオの充実
- 提案書の質の向上
これらに時間を投資します。
3. 人とのつながりを通じたニーズ調査
これが意外と重要で、かつとても楽しいです。
バイト先で出会った人、近所のおばちゃん、飲食店でたまたま仲良くなった同世代のスタッフさんなどと一緒にご飯を食べに行くことがあります。そんな時、さりげなく
- 「普段よく使うスマホアプリって何ですか?」
- 「こんなサービスがあったら便利だと思いませんか?」
といった話題を振ってみます。
これが最高の市場調査になるのです。実際のユーザーの生の声を聞けるだけでなく、自分のアイデアの需要を検証できます。
具体的な1週間のスケジュール例
月曜日:単発バイト
- 6:00 起床
- 7:00 バイト先へ出発
- 8:00-17:00 バイト
- 18:00 帰宅、夕食
- 19:00~ リラックス時間、余力があれば勉強や作業
火曜日:クリエイティブ作業+人とのつながり
- 9:00-15:00 アプリ開発
- 16:00-18:00 提案書作成
- 19:00- 現地で知り合った方と夕食(ニーズ調査も兼ねて)
水曜日:単発バイト
- (月曜日と同様)
木曜日:クリエイティブ作業+人とのつながり
- (火曜日と同様)
金曜日-日曜日:集中作業期間
- まとまった時間でしかできない作業
- 新しいスキルの集中学習
- プロジェクトの大きな進展
- ランニングや筋トレ、その他サウナなどの趣味(重要)
まとめ:地方移住だからこそ見えた新しい働き方
地方移住×在宅副業で学んだ最も重要なことは、「稼ぐ」と「創る」を明確に分離することでした。
家賃2万円という環境だからこそ
- 目先の収入に振り回されない判断ができる
- 将来への投資時間を確保できる
- 人とのつながりを大切にする余裕が生まれる
そして単発バイトという選択肢があることで
- 安定した最低限の収入を確保
- クリエイティブ作業に100%集中できる環境
- 価値のない案件を断る勇気
バイクという移動手段があることで、この戦略が現実的に機能します。
300万円の借金から始まった地方移住生活でしたが、今では「稼ぐ」と「創る」のバランスを保ちながら、着実に次のステージに向かって進んでいます。
地方移住を検討している方、在宅副業で行き詰まりを感じている方の参考になれば幸いです。